わずかなミントの含みをもつ、ローズ調の甘美で優雅な香りをもつゼラニウムはアロマテラピーでもよく使われる精油(エッセンシャルオイル)のひとつです。
香りはもちろん、その効果・効能も多岐にわたって様々な症状や生活の場面にも活用できるゼラニウムは、きっとあなたの心や体の悩みや気になっていることの心強いサポーターになってくれるでしょう。
そんな素晴らしいゼラニウムを使って、アロマテラピーの効果を最大に高めるための目的別に相性の良い5種類のおすすめブレンドも紹介します。
そして、さらにゼラニウムのもつスピリチュアルな意味についても歴史的背景からしっかりと説明していきますよ。
ではこれから科学とスピリチュアルの両方の視点でとらえたアロマテラピーを通して、ゼラニウムについてみていきましょう。
アロマテラピーで使用するゼラニウムについて
ゼラニウムと一言でいっても、その名前をもつ植物は700を超える種類があるのだとか。
ではアロマテラピーで使用するゼラニウムはどんなものなのでしょうか?
まずここでゼラニウムの精油について、その原料となる植物のことや、精油の成分、効果・効能、使用にあたっての注意点について詳しく解説していきたいと思います。
アロマテラピーの精油の原料となるゼラニウムの植物とは?
アロマテラピーで精油として使われる’ゼラニウム’と呼ぶものは、アフリカ原産の植物ペラルゴニウム(テンジクアオイ)の中のセンテッド(芳香性)ゼラニウムのひとつで、「ローズ・ゼラニウム」と呼ばれたりするものです。
ローズ系の強い香気をもつ葉と小さなピンク色の花をつけます。
ゼラニウムは昔から素晴らしい治癒力をもつ植物とみなされたことがあり、傷や怪我、腫瘍、骨折、肌のトラブル、下痢や腹痛の薬として治療に使われていました。
精油の抽出技術が発達する前からゼラニウムは薬草として既に薬として使われていたということですから、確かにアロマテラピーの効果も期待できそうです。
アロマテラピーの効果があるゼラニウムの精油について
前述したように全ての種類のゼラニウムの植物がアロマテラピーで精油として使われるわけではありません。
また、’ゼラニウム’の名のつく精油であっても、アロマテラピーで使用される効果・効能をもつ成分が含まれているのかが重要になってきます。
アロマテラピーの効果があるゼラニウムの精油データはこちらです。
- 一般名称:ゼラニウム
- 植物学名:Pelargonium graveolens
- 植物科名:フウロソウ科
- 主な原産地:フランス、スペイン、モロッコ、イタリア、中国
- 抽出部位:花・葉
- 抽出方法:水蒸気蒸留法
- ノート:ミドルノート
- 主な成分:ゲラニオール、シトロネロール、ゲラニル酸、シトラール、メントン
成分の中のゲラニオールやシトロネロールはローズの精油に、またメントンはミントの精油に共通して含まれる芳香成分であることからも、ゼラニウムが’甘くて重い香りの中にミンティーな芳香を含むローズのような香り’と評されるのも納得です。
ローズ調の甘さとミント調のフレッシュさという、一見、相反する香りのタイプが溶け合っているのも、ゼラニウムの魅力なのかもしれませんね。
そういうわけで、精油の成分の種類はその香りと効果・効能をつくるのにとても重要ですので、ゼラニウムの精油を入手する際にはこの精油データが確認できるものをお求め下さい。
アロマテラピーで活用されるゼラニウムの効果・効能
ではアロマテラピーで活用されるゼラニウムの精油の効果・効能をみていきましょう。
先程紹介した精油データをもつゼラニウムの精油には、下記のような効果・効能があります。
- 体への作用
- ホルモン分泌の調整作用があるため、生理痛や生理不順、更年期障害の様々な症状を改善する
- 利尿作用により、体内の老廃物や毒素の排泄を促し、むくみを改善する
- 血管やリンパに働き、体液の流れをスムーズにする
- 感染症への抵抗力を高める
- 心への作用
- 抗うつ作用により不安、憂鬱感、緊張、ストレスを和らげる
- 神経の調整作用により心のバランスをとりながら明るく元気な気分を促す
- 肌への作用
- 皮脂分泌を調整するため肌質に合わせて皮脂バランスをととのえる
- 殺菌・消毒作用によりニキビ、虫刺されや傷口、感染性の皮膚疾患に有効
- 疱疹、湿疹、やけど、しもやけを好転させる
- 傷跡の細胞の修復と再生を促し、もとのきれいな肌の状態に戻すのを助ける
- うっ血や血色の悪い肌に有効
これ以外にも、ゼラニウムは虫除けや汗臭いに有益な作用があり、それらの対策としてアロマテラピーでも使われています。(こちらの記事で詳しく書いています→「夏のアロマテラピー!汗の臭い対策と虫除けスプレーのレシピを紹介」)
また、ゼラニウムと言えば上記の効果・効能のなかでも特筆すべくものに、生理痛や更年期障害といった女性特有の症状の改善に効果的な女性ホルモンを調整する素晴らしい作用がある精油として、クラリセージと共にアロマテラピーでも代表する精油です。
アロマテラピーにおける女性ホルモンの調整については別の記事で詳しく詳しく取り上げていますのでご興味がありましたら是非、参考にしてみて下さい。【関連記事】アロマテラピーで女性ホルモンを調える!クラリセージの精油で生理痛や更年期障害をケア
では次に、ゼラニウムの精油をアロマテラピーで使うにあたって気を付けることについて確認していきましょう。
ゼラニウムを使用するにあたっての注意点・禁忌事項
自然療法であるアロマテラピーで使用する精油ですが、100%天然のものとはいえ、含まれている成分とその作用によっては全ての人に使用できるとは限りませんので、使用前に必ず注意点や禁忌事項を確認するようにして下さい。
ゼラニウムの精油を用いる際の注意点と禁忌事項として、
- 妊娠中の使用は控える。特に妊娠初期は使用しない
- 敏感肌やアレルギー(花粉症、ハウスダスト、ペットの毛など)がある方の皮膚への使用はしない
がありますので、正しい使用を守って安全なアロマテラピーをお楽しみ下さい。
ゼラニウムのアロマのもつスピリチュアルな意味とは?
アロマテラピーにスピリチュアル(目に見えない世界)な意味があると聞いて驚きでしょうか?
アロマテラピーは今でこそ、扱う精油成分の作用が科学的に証明されたため現代の科学や医療の中でも受け入れるようになりましたが、実はそうなるずっと前はスピリチュアルなものとして扱われてきたのです。
アロマテラピーとスピリチュアルな意味の関係について
世界中の古代から伝わる伝統療法の多くは、自然界をマクロコスモス(大宇宙)、人間をミクロコスモス(小宇宙)として捉え、これらは互いに照応性をもつとされてきました。
その中でアロマテラピーの原料にもなる植物は、古代シュメール文明を発端に発達した占星学の知恵も手伝い、マクロコスモスである星々のエネルギーを宿すと考えられていました。
ちなみにこの植物と星の知識に長け、生活や治療に活用していた人たちは魔女や魔術師と呼ばれていました。
さらに精油はエッセンシャルオイル(Essntial oil)という名の通り、’植物の精気(エッセンス)を取り出した聖油’であり、神官や錬金術師など一部の限られた人たちが宗教的儀式や神秘主義の実践の中で、’香りのもつエネルギーは目に見える世界(魂や精神)と目に見えない世界(肉体)と繋ぐもの’として使われてきたのだと考えられています。
これこそがまさにアロマテラピーの本当の起源だと言えるでしょう。
さらに量子物理学の視点も取り入れ、今では植物や精油のもつスピリチュアルな意味を’エネルギー(波動、バイブレーション)として捉える考え方も徐々に認知され、占星学、カラー、クリスタル、チャクラ、中医学などとの関連性と合わせた「スピリチュアル・アロマテラピー」として理解されるようになっています。
ゼラニウムのスピリチュアル・アロマテラピーの意味
ゼラニウムの占星学、カラー、クリスタル、チャクラ、中医学の対応でみるスピリチュアル・アロマテラピーな意味として、
- 占星学:金星/天秤座
- カラー:グリーンとピンク
- クリスタル:ウォーターメロン・トルマリン
- チャクラ:ハートチャクラ(第4チャクラ)
- 中医学:陰/心・腎/補陰・補気
があります。
これらの関連性はどれも学問からきているため、意味の分からない専門用語が使わていて難しく思われるかもしれません。
それぞれの学問の知識がある方であれば、スピリチュアルな意味としてアロマテラピーの理解と関連性にお役立て下さい。
専門的な知識がない方でも、例えば、ゼラニウムの香りが前述したように’ミント調とローズ系の2つの異なるタイプの香りが溶け合った香り’であることと、上記のスピリチュアルな意味の中の’カラー’がグリーンとピンクの2色であるということの関連性をみることができませんか?
ちなみにグリーンとピンクのバイカラーをもつクリスタルがまさウォーターメロン・トルマリンなのです。
そして、グリーンとピンクはまさにハートチャクラの色であったり、中医学の’心’の臓にあたります。
グリーン、ピンク、ハートチャクラは自分以外の世界(人、もの、環境など)と調和をもって繋がる’愛’のエネルギーをもち、この性質こそが金星や天秤座の性質に一致したりします。
金星の性質は女性性や陰の性質をもち、中医学の陰性や’腎’の臓に対応しているというわけです。
それぞれの専門用語の深い意味についてはここでは割愛しますが、アロマテラピーをスピリチュアルな視点でみることによって、占星学、カラー、クリスタル、チャクラ、中医学といった異なる分野の学問の垣根を超え、全てが繋がっている、ということが何となく分かって頂けたのではないでしょうか。
アロマテラピーの効果抜群!ゼラニウムと相性の良いおすすめブレンド5種類を紹介!
アロマテラピー効果を高め、ゼラニウムと香りの相性が良い精油を使った、目的別のおすすめブレンドとして、
- 心のバランスをとる
- ゼラニウム、オレンジ、マンダリン、ベルガモット、フランキンセンス
- スキンケアで美肌をつくる
- ゼラニウム、ラベンダー、サンダルウッド
- 月経トラブルや更年期障害の緩和
- ゼラニウム、クラリセージ、ローズ、ジャスミン、イランイラン
- 汗の臭いや体臭の対策と改善
- ゼラニウム、サイプレス、レモン、グレープフルーツ
- 虫除け対策
- ゼラニウム、ユーカリ・レモン、レモングラス、ユーカリ
があります。
上記おすすめブレンド内の精油のリストを全部を入れる必要はなく、その中のどれかひとつをゼラニウムと組み合わせるだけでも香りがより調和され、ブレンドした精油同士の作用が高められる相乗効果が期待できますよ。
これらのブレンドを使ったアロマテラピーの活用方法について別の記事で詳しく取り上げていますので、是非、参考にしてみて下さい。【おすすめの関連記事】エッセンシャルオイル(精油)の使い方は簡単!今日から始められるアロマテラピー
まとめ
いかがでしたか?
ここまで、アロマテラピーにおけるゼラニウムの効果・効能やスピリチュアルな意味について解説し、ゼラニウムと相性の良いおすすめのブレンド5種類を紹介しました。
では最後にまとめたいと思います。
- アロマテラピーで使用するゼラニウムの植物は昔、薬として治療に使われていた。
- ゼラニウムは体、心、肌への多岐にわたって有益な効果・効能があり、特に心のバランス、皮脂や女性ホルモンの分泌の調整作用に優れている。
- ゼラニウムのスピリチュアル・アロマテラピーな意味は占星学、カラー、クリスタル、チャクラ、中医学などの関連性で理解される。
- アロマテラピー効果を高めるゼラニウムと相性の良いおすすめブレンド5種類は、心のバランス、スキンケア、女性特有の症状、汗の臭い、虫除けに対応している。
アロマテラピーは成分による効果・効能といった科学的な側面だけでなく、見えないエネルギーとしてとらえるスピリチュアルな意味もあるところが興味深いですね。