世の中には何となく浸透しているようでいて実はみんな、よく分かっていないことってありますよね。そして‘アロマテラピー’もそのひとつかもしれません。
アロマテラピーについては、TVなどで時々耳にしたり、雑貨店に関連商品が売られているのを目にしたりしますが、実はよく知らないという人も多いのではないでしょうか?
またいろんなところで‘アロマ’という言葉が使われたりしますが、これとアロマテラピーは同じものなのでしょうか?
知っているようで意外と知らない、‘そもそもアロマテラピーとは何なのか?’について初心者の方にも分かりやすく説明をしていきたいと思います。
アロマテラピーとは?
①言葉の意味
アロマテラピーとは、フランス語でアロマ(芳香)+テラピー(療法)→アロマテラピー(芳香療法)を意味する2つの言葉を合体させた造語です。(ちなみに’アロマセラピー’と言う場合は英語の発音で表記したものになります。)
というわけで、アロマテラピーとは芳香療法(香りを用いた療法)のこと、ということが分かりました。
では香りがすれば何でもアロマテラピーと言えるのでしょうか?
‘アロマ’という言葉は、例えばコーヒーの香りや柔軟剤の香りを表現するのに使われたりしますよね。これらもみんなアロマテラピーになるのでしょうか?
ここでアロマテラピーの正確な定義を見てみましょう。
②定義
「アロマテラピーとは、ヨーロッパに古くから伝わる民間療法で、植物から抽出した100%天然の芳香成分である精油(エッセンシャルオイル)を用いた芳香療法(自然療法、植物療法)である」
つまり、香り(アロマ)を使えばみんなアロマテラピーということではなく、植物から抽出した精油を使うことがアロマテラピーの条件である、ということが分かります。
では続いて、精油の香りを活用したアロマテラピーが私達にもたらす効果について説明していきたいと思います。
③効果
アロマテラピーの根本的な効果には下記の2つがあります。
- 香りのもつ効果
皆さんはこれまでに、好きな香りや良い香りを嗅ぐと、心が落ちついたり、幸せな気分になったり、体がリラックスしたりするのを感じたことはないでしょうか?アロマテラピーはそんな香りのもつ私たちへの心理的・生理的な効果を活用したものです。 - 精油成分のもつ効果
上記の①だけであれば何の香りでもよいということになってしまいますが、アロマテラピーで用いる精油の芳香成分にはさまざまな作用があることが科学的にも解明されています。特に’私達人間が本来もっている自分のリズムに戻し、自己治癒力を高める’という自然療法に根ざした効果が期待されています。
‘心と体が互いに繋がり作用し合っている’というのは誰もが認める事実だと思いますが、アロマテラピーの効果でリラックスすることで、ストレスを軽減したり、心と体の疲れを癒やすことができるんですね。
精油の香りを楽しむだけでこんな恩恵が得られるのであれば、アロマテラピーは初心者の方でも簡単に取り入れていけそうですね。
④歴史
上記でアロマテラピーはヨーロッパで古くから伝わるものだとお伝えしましたが、実際、アロマテラピーはどのぐらいの歴史があるのでしょうか。
現在、定義されているようなアロマテラピーの原初は、植物から精油を抽出する技術が初めて発明された11世紀に遡ります(ただしアロマテラピーという用語が生まれたのは20世紀です)。その当時、精油は医薬品、香水、化粧品としてヨーロッパを中心に流通し、ペストなど流行した伝染病の予防にも利用されていたようです。
ところで精油の抽出技術が発明されるこれ以前の、紀元前3000年頃の古代エジプトや古代ギリシャ時代にも、精油のもととなる芳香植物を焚いたり香油にしたりして、魔除けや浄化の儀式、健康や美容などさまざまな用途で用いられていたことが分かっています。
アロマテラピーの起源は、科学が発達するずっと昔から芳香植物を介して既に始まっていたんですね。
まとめ
それでは最後に「初心者にも分かるアロマテラピーとは何か」についての説明をまとめます。
- アロマテラピーとは植物から抽出した精油を用いた芳香療法のこと。
- 精油の’香りのもつ効果’が心理的・肉体的に働きかける。
- 精油の芳香成分にはさまざまな作用があり、自分の本来のリズムに戻し自然治癒力を高めることを助ける。
- アロマテラピーの歴史は精油の抽出技術が生まれた11世紀だが、古代から精油のもとになる芳香植物が使用されていた。
いかがでしたか?
アロマテラピーについてここまで知っているあなたはもう初心者とは言わせませんよ。