昨今、100%天然成分を素材とした肌に優しいセルフケア用アロマ製品を自分で作る人たちが増えてきています。
アロマテラピーのセルフケア製品は市販もされているのですが、自分の肌質や症状に合わせ、自分の好きな香りでつくるアロマ製品は、やはり自分専用というオリジナル感に満足できる上に、手作りをする楽しみが味わえるのもいいですよね。
手作りアロマ製品で特に人気のあるもののひとつが’アロママッサージオイル’です。
全てが天然成分のアロママッサージオイルは、精油とキャリアオイルを適切に選び組み合わせることで、健康や美容に嬉しい効果が期待できます。
誰でも簡単にできる効果的なアロママッサージオイルの作り方について、目的別のおすすめの精油ブレンドの紹介もしながら説明していきたいと思います。
アロママッサージオイルとは?
アロマテラピーをマッサージという方法で取り入れる際にその潤滑油として使うのがアロママッサージオイルで、精油(エッセンシャルオイル)とキャリアオイル(植物油)をブレンドした、純度100%天然のオイルです。
キャリアオイル(植物油)をマッサージオイルとして使う理由のまず大前提に精油を肌に直接つける場合そのままでは強すぎるので、必ず希釈して使用する必要があります。
ですが精油を希釈さえすれば何でも良い、というわけではありません。
肌に直接、つけるものであることの安全性やブレンドする精油の効果を高めることなどを考慮すると、キャリアオイルが最も適した希釈媒体になります。
それはなぜでしょうか?
キャリアオイルがアロママッサージオイルとして最適な理由
キャリアオイルがアロママッサージオイルの精油の希釈媒体として最も適している理由に下記のことが挙げられます。
- 精油同様に100%天然のものである
- 精油の揮発性を抑え、精油の効果を持続させる
- 精油の皮膚や粘膜の刺激を抑える
- 皮膚を保湿したり、柔らかくする作用をもつ
- 適切な伸びと粘性でマッサージの動きを助ける優れた潤滑油である
- 肌への浸透率が高くベタつかない
- 精油成分を皮膚深部に運搬する作用があるため、精油の効果を高める
- 有効成分(必須脂肪酸、ビタミン、ミネラルなど)が含まれ、特定の効果・効能をもつ
- 精油との効果・効能を互いに高め合う相乗効果が期待できる
キャリアオイルをアロママッサージオイルとして使うメリットがこんなにもあるのですね。キャリアオイルを使うだけでも素晴らしい効果が期待できそうです。
実際、精油を何らかの理由で皮膚に使用できない場合にも、精油のもつ作用の代わりとして(全ての代用は難しいですが)キャリアオイルを使うこともできます。
キャリアオイルについてもっと知りたい場合は詳しく解説した別の記事がありますので、是非、ご参考下さい。(関連記事)アロマテラピー効果を倍増するキャリアオイルを徹底解説!セラピストおすすめの11種類を紹介
安全で効果的なアロママッサージオイルの作り方
効果的なアロママッサージオイルを作る際に押さえておきたいポイントや気を付ける点がありますので、初心者の方でも分かるようにひとつずつ丁寧に説明していきたいと思います。
精油をキャリアオイルで希釈する方法
まず何よりも安全なアロママッサージオイルを作るのに精油の希釈はとても重要です。
精油をどのようにキャリアオイルで希釈したらよいのかを確認していきましょう。
①安全な希釈濃度と基準について
キャリアオイルに対する精油の比率である安全な希釈濃度についてですが、肌に塗布するマッサージオイルの場合、肌質や肌の状態に合わせて濃度を調節して下さい。
希釈基準として、
- 普通肌:濃度1%
- 敏感肌:濃度0.5%
- ニキビや湿疹など肌トラブルがある場合:濃度0.5%またはそれ以下
があります。健康的な普通肌の場合でも、濃度が1%を超えないように注意して下さい。
②精油とキャリアオイルの容量の測り方
キャリアオイルはビーカーなどのメジャーカップに入れて容量を測ることができます。
次に精油についてです。精油の容器の口には通常、ドロッパーがはめ込まれており、1滴ずつ滴下できるようになっています。
このドロッパーが滴下する精油1滴あたりの容量は約0.05ml(精油の種類に関係なく)です。
例えば、50mlのキャリアオイルで1%濃度のマッサージオイルを作ろうとするとする場合、精油は0.5ml、つまり精油10滴を入れればよいということになります(ちなみに0.5%濃度のマッサージオイルであれば精油は5滴です)。
③アロママッサージオイルで使うおすすめのキャリアオイル
精油を希釈するためのキャリアオイルにはたくさんの種類があるのですが、その中でもアロママッサージオイルに使うおすすめのキャリアオイルを3種類紹介します。
おすすめ①グレープシードオイル
ワインを製造した後に残るブドウの種を原料とした植物油です。無色で香りもほとんどなく、粘性が低いため軽いテキスチャーでオイルの伸びが良いです。無刺激・低アレルギーでどんな肌質にも安全に使用でき、価格も安く手に入ります。
おすすめ②ホホバオイル
植物性の蝋(ワックス)で、ビタミンやミネラルを多く含み、抗酸化作用(肌の老化防止)、抗炎症作用、保湿力に優れています。無色で香りもほとんどなく、さらっと軽めのテキスチャーです。全て肌質に対応しています。浸透力が高いため、フェイスマッサージにも適しています。
おすすめ③スイートアーモンドオイル
オレイン酸やビタミンが多く含まれ、栄養価も高い、アーモンドの種子を原料とした植物油です。抗炎症作用や保湿作用に優れています。無色で香りもほとんどなく、粘性は中程度です。全肌質に対応していますが、特に敏感肌や乾燥肌のボディケアにおすすめです。
マッサージオイルで使用する際には、これらのオイルを単独で使用しても良いですし、グレープシードオイルかスイートアーモンドオイル(80%程度)とホホバオイル(20%程度)をブレンドするのもおすすめです。
④アロママッサージオイルの作り方
希釈濃度を確認し、使用するキャリアオイルと精油を決めたとして、これから1%濃度のアロママッサージオイル(30ml)の作り方を説明します。*使用する精油の選択については、この記事の後半でブレンドを紹介していますので参考にして下さい。
(準備するもの)
- 精油(2種類以上)
- キャリアオイル(1〜2種類)
- メジャーカップ
- ガラス製の遮光瓶(30ml容量)
(手順)
- キャリアオイル30ml(2種類をブレンドする場合も全量30mlになるようにする)をメジャーカップで測り、ガラス製の遮光瓶に入れます。
- 精油2〜3種類を全部で6滴(0.3ml)になるように1に加えます。
- 2の遮光瓶の外蓋をしっかりしめたら、上下が逆さになるように交互に動かし混ぜ合わせます。
- アロママッサージオイルに入っている精油とキャリアオイルのそれぞれの名前、濃度、作製した日付を書いたラベルをこの瓶に貼ります。
ここまでできたら、作製したマッサージオイルを手の甲に少しだけ付けた後に伸ばして、その香りを確認してみましょう。
アロママッサージオイルの作り方、いかがでしたか?
濃度と使用するキャリアオイルと精油さえ決めれば、準備するものも最小限のものでよいですし、作り方もとてもシンプルで簡単ですね。
⑤アロママッサージオイルの保管方法と使用期限
作製したアロママッサージオイルを保存する場合は、必ずガラス製の遮光瓶に入れ、しっかり蓋をして冷暗所(真夏などは冷蔵庫の野菜室もおすすめです)に保管し、1ヶ月以内に使い切るようにしましょう。
1ヶ月以上経ったマッサージオイルは酸化している可能性があるので肌に使わないようにして下さい。残ったオイルは破棄するか、アロマキャンドルなどに使うと良いでしょう。
アロママッサージオイルの目的別おすすめ精油ブレンド
アロママッサージオイルで使用する精油を選ぶ際に、よくある一般的な症状や悩み別にそれぞれ効果的な精油とそのブレンドの組み合わせをピックアップしましたので参考にしてみて下さい。(ここで取り上げた精油は比較的入手しやすく、広範囲の目的に合わせて使える精油を中心に選んでいます。)
精油は通常、2〜3種類を選んでブレンドすると良いでしょう。
(症状/悩み)
- 頭痛:ラベンダー、マジョラム、ペパーミント
- 肩こり、筋肉痛:ローズマリー、マジョラム、ジュニパーベリー、ラベンダー、ジンジャー
- 足の疲れ、筋肉疲労:ペパーミント、ユーカリ、ラベンダー、ローズマリー
- 冷え、むくみ:ジンジャー、マジョラム、ローズマリー、シナモン、サイプレス
- シェイプアップ:ローズマリー、ジンジャー、ジュニパーベリー、サイプレス、レモン
- 風邪、免疫力の低下:ユーカリ、ニアウリ、ティートリー、ラベンダー
- 消化器系のトラブル:ラベンダー、カモミール、グレープフルーツ、スイートオレンジ、ベルガモット
- 月経トラブル:ゼラニウム、クラリセージ、イランイラン、ローズ、ジャスミン
- 不眠症、イライラ:ラベンダー、カモミール、マジョラム、ネロリ
- 精神疲労:ローズマリー、ペパーミント、レモン、レモングラス
- 自信喪失:グレープフルーツ、クラリセージ、ローズ、イランイラン、ジャスミン
アロママッサージオイルは肌に直接、塗布するものなので、自分の肌質にあった精油を選びましょう。特に心身の気になることがない場合もここから精油を選ばれると良いと思います。
(肌質)
- 普通肌:ラベンダー、カモミール、ベルガモット、ゼラニウム
- 乾燥肌:サンダルウッド、ローズウッド、イランイラン、ローズ
- 脂性肌:ラベンダー、サイプレス、ゼラニウム、スイートオレンジ
- 敏感肌:ラベンダー、サンダルウッド、カモミール、マンダリン
肌質に合わせて精油を選ぶことで、スキンケアオイルとしても使用できますよ。
アロママッサージオイルの使用にあたって気を付けたいこと
アロママッサージオイルは皮膚に直接、塗布するものですので、使用の際には下記の点に気を付けましょう。
- 精油やキャリアオイルは信頼できる店から入手し、品質の高いものを使用して下さい。
- 使用の際に肌や体調に異変が現れたら、直ちに使用を中止し、オイルを付けた部分を拭き取り洗い流すなどしましょう。
- 精油成分の作用により使用できないケースがあります。特に、妊娠時、癲癇、高血圧などに該当する場合は、お近くのアロマセラピストにご相談されることをお勧めします。
安全なアロママッサージを楽しんで下さいね。
まとめ
いかがでしたか?
効果的なアロママッサージオイルを簡単に作り方について説明し、さらにアロママッサージオイルのおすすめ精油ブレンドについても目的別に紹介をしてきました。
それでは最後にまとめたいと思います。
- アロママッサージオイルとは、精油とキャリアオイルをブレンドした、純度100%天然のオイルのことである。
- たくさんのメリットのあるキャリアオイルはアロママッサージオイルとして最適である。
- アロママッサージオイルを作るにあたって、希釈濃度、キャリアオイルの選択、保管方法が大切である。
- アロママッサージオイルで使用する精油は症状、悩み、肌質などの目的別で選び、2〜3種類をブレンドして使う。
- アロママッサージオイルは肌に直接、塗布するので、使用の際に気を付けることがある。
アロママッサージオイルが完成したら、早速、アロママッサージに挑戦しましょう!
アロママッサージについて詳しく別の記事でも説明していますので、是非、参考にしてみて下さい。(関連記事)【極上のアロマテラピー】アロママッサージ効果で健康も美容も幸せも手に入れる!良いこと尽くしの3つの秘密