10月20日の日本時間午前、日本初となる水星探査機「みお」を搭載したアリアン5ロケットが宇宙センター(南米フランス領ギアナ)より打ち上げに成功しました。
そんな水星探査機「みお」から今後、送られてくる画像と発見されるものに期待が高まっています。
「みお」は日欧共同の水星探査計画の日本の探査機
日本の水星探査機の打ち上げは初で、今回、日欧共同の水星探査計画「べピ・コロンボ」のひとつとして水星の磁場や磁気圏を観測する探査機(MMO)を担ったのが「みお」です。
ちなみに水星の表面や内部の観測を行う水星表面探査機(MPO)は欧州が開発し、「みお」と2機構成で、7年後の2025年に水星周回軌道に到達し、約1年間の観測をする予定なのだそうです。
今回の日本の水星探査機「みお」の打ち上げ成功は、今年10月3日にも日本の探査機「はやぶさ2」に搭載させた欧州開発の小型着陸機「マスコット」が分離に成功した、もうひとつの日欧共同探査計画に続く形となりました。
水星探査機「みお」の名前の由来は?
今回、打ち上げに成功した日本の水星探査機「みお」の名前は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が今年2月からの一般公募に応じた約6500件の中から決められたそうです。
「みお」の名前の由来は、船が通った後に水面に残る航跡の「澪(みお)」から付けられたそうです。
これには’努力と挑戦の研究開発の長い道のりを示す’ことや、’水星に向けた飛行の安全を祈念する’という意味も込められているそうで、探査機には多くの人の熱い想いが込められているのが感じられますね。
水星探査機「みお」の画像と発見に期待されるもの
今回、打ち上げられた水星探査機「みお」にはどんなミッションが課せられているのでしょうか?
JAXAによると、「みお」は磁場やプラズマ、希薄大気、ダストなど水星周辺の環境、特に磁気圏で起こる様々な物理現象詳細に観測することを目的としているのだそうです。
ということで、主に水星の磁場や磁気に関する画像や発見が、「みお」に期待されているということが分かります。
なぜ、水星の磁場や磁気を観測する必要があるのか?
水星は太陽系で最も近く磁場をもつ惑星です。
太陽系の惑星は常に高速のガス流である太陽風に晒されているため、惑星の磁場はその太陽風に対するバリアのような役割をしていると考えられているのですが、水星の磁場は地球の磁場に比べてかなり弱く(約100分の1)、地球よりもはるかに太陽の近くに位置して、強烈な太陽風に晒されています。
そこで、
- 地球と異なる過酷な太陽風の環境下で水星でどんな現象が起きているのか
- 惑星の磁場は太陽風に対してどんな役割を果たすのか
というのを解明しようとしているようです。
ですが、それだけではないように思えます。
今回の水星探査で発見される情報を元に、
- 近い将来起こると言われている太陽風による地球の磁場の乱れで起こる生存危機への対策
- 水星での生命の生存の可能性を探ることで、火星と共に、将来の人類の移住計画地の候補になりうるのか
などへの展望も、もしかしたら考えられているのかもしれません。
さて日本初の水星探査機「みお」は、7年後、どんな画像を私達に届けてくれるのでしょうか。そして、私達は何を発見するのでしょうか。
ちなみに過去の宇宙探査機が写し出した火星と金星の画像はこちら。
まとめ
今回の日本の水星探査機「みお」の打ち上げ成功のニュースは、私達に未知の世界への可能性と希望をもたせてくれる嬉しい話題になりました。
今後、水星探査機「みお」が水星のどんな画像や発見を届けてくれるのか、本当に楽しみですね。
また「みお」に関する何か新しい情報が入り次第、記事を追加していきたいと思います。